1. コントロール (control) の一般的な意味について

• 『広辞苑』第6版 (岩波書店, 2008) には、以下のような説明がある。

  (1) 制御すること。うまく調節すること。統制。管理。

  (2) 野球で、制球。制球力。

• 具体的な事例として「航空管制」 (air traffic control) を考えてみる。
• 「航空管制」の目的は、非常に簡単にいえば次のとおりである。

  世界中のすべての航空機が、

  世界中のすべての場所で、

  安全に運航することができるようにする。

• そのために、航空管制に関する世界共通のルールがある。
• 全世界の航空機のパイロットと空港の管制官は、このルールを守って業務を遂行する。
• その結果、世界中のすべての場所で安全な飛行が実現できる。

• 参考リンク
  • 厚生労働省 - 航空管制官(職業情報提供サイト(日本版O-NET)職業紹介動画)
    https://youtu.be/qIdxIEdOdnQ

2. 書誌コントロールの目的について

• 書誌コントロールの目的は、非常に簡単にいえば次のとおりである。

  世界中のすべての人が、

  世界中のすべての出版物を、

  自由に利用することができるようにする。

3. 書誌コントロールのための手段について

• 書誌コントロールのためには、どのような情報が必要かを考えてみる。

  世界には、どのような出版物が存在するのか？

  私が必要としている出版物は、世界のどこにあるのか？

• ここで、出版物の情報に関する世界共通のルールがあれば、利用しやすくなる。
• 図書館および出版業者は、次のようなルールを工夫してきた。

  書誌データの記述様式のルール (目録規則、ISBD)

  主題の表現方法に関するルール (分類表、件名表)

  標準番号の付与に関するルール (ISBN)

• さらに、世界中の出版物の情報を提供するための手段の1つが、「全国書誌」であった。
• 「全国書誌」によって、次のようなことが可能となると考えられた。

  各国が、その国の「全国書誌」を作成し、

  それぞれの国の「全国書誌」を他国に発送することによって、

  全世界で、すべての国の情報を共有することができる。

• その後、コンピュータ目録の急速な発展により、状況が一変してしまった。
• 現在は、オンラインで即時に全世界の書誌データを入手することが可能である。
• その結果、「全国書誌」の必要性は低下している。