目録は、利用者が図書館で利用可能な資料を発見・識別・選択・入手できるよう、資料に対する書誌データ、所在データおよび各種の典拠データを作成し、適切な検索手段を備えて、データベース等として編成するものである。 |
目録に収録される書誌データは、各資料に関する諸情報を圧縮・構造化した記録である。 |
また典拠データは、特定の個人、団体、主題等に関連する資料を確実に発見できるよう、それらに対するアクセス・ポイントを一貫して管理するための記録である。 |
目録がその役割を発揮するためには、資料に対する書誌データを作成する作業や、典拠データを通してアクセス・ポイントを適切に管理する典拠コントロール作業が、一定の基準に基づいて行われる必要がある。 |
これらの作業のための基準が目録規則であり、これは目録の編成に必須のツールである。 |
多様な資料を対象とする規則 |
記述ユニット方式(非基本記入方式)の採用 |
ISBD への準拠 |
記述の精粗 |
書誌階層構造 |
資料の内容的側面(コンテンツ)と物理的側面(キャリア)に関わる問題 |
目録の作成・提供環境の電子化の進展 |
コンピュータ目録を前提として FRBR の枠組みを全面的に取り入れたこと |
図書だけでなくあらゆる種類の資料を対象と考えること |
書誌・典拠データのあらゆる側面を取り扱うこと |
書誌・典拠データとは別に目録の探索・検索上の要件にも言及していること |
FRBR 等の概念モデルに密着した規則構造をとること |
著作や個人等を実体ととらえることで、典拠コントロール作業が規則上明確に位置づけられたこと |
資料の内容的側面と物理的側面の整理が図られたこと |
実体間の関連が、実体の属性とは独立して扱われ重視されるようになったこと |
属性、関連のエレメントが大幅に増強されたこと |
情報源からの転記によらないエレメントの多くで、語彙のリストを提示して値の表現に一定の統制を図ったこと |
記述文法等の構文的側面を規則から排除し、意味的側面に特化したこと |
ICP 等の国際標準に準拠すること |
RDA との相互運用性を担保すること |
日本における出版状況等に留意すること |
NCR1987年版とそれに基づく目録慣行に配慮すること |
論理的でわかりやすく、実務面で使いやすいものとすること |
ウェブ環境に適合した提供方法をとること |
序説 | p.3-11 | 1)~11) | 規則全体に関係する基本的事項の説明 |
第0章 総則 | p.13-18 | 第1部、第2部、第3部の前提となる規則 | |
第I部 記述 | p.19-309 | 第1章~第13章 | 書誌記述についての規則 |
第II部 標目 | p.311-355 | 第21章~第26章 | 標目の選択や表わし方についての規則 |
第III部 排列 | p.357-369 | 第31章~第35章 | 記入や参照を排列する順序について規則 |
付録 | p.371-424 | 付録1~付録6 | 全体に関する補足事項や解説 |
索引 | p.425-445 | 序説から付録までの全体の索引 |
0.1 この規則の目的 | ・目的は、全国的な標準化を図ること |
0.2 この規則で対象とする資料の範囲 | ・対象は、図書館が所蔵するあらゆる資料 |
0.3 目録の構成 | ・目録の構成要素は、目録記入と参照 |
0.4 目録記入 | ・目録記入の構成要素は、書誌記述と標目と所在記号等 |
0.5 MARC ファイルとMARC レコード | |
0.6 書誌的記録の構成 | |
0.7 記述と標目の機能 | ・記述と標目の目的と機能 |
0.8 書誌階層構造 | ・書誌レベルは、上下の位置づけを示すもの |
0.9 物理単位 | ・形態的に独立した部分 |
0.10 任意規定、別法、目録担当者の判断 | ・任意規定は、本則をさらに敷衍するためのもの |
・別法は、本則と別法のどちらを採用するか二者択一 | |
・目録担当者が適切な判断を加える余地を認めている |
例:ISBD区切り記号法について
「1.0.6.7」(p.28)と「2.0.6.7」(p.61)、 「1.1.0.2」(p.31)と「2.1.0.2」(p.61)、など |
例:記録の方法について
「1.0.6」(p.27)と、 「4.0.6」(p.114)、「5.0.6」(p.128)、「6.0.6」(p.146)、など |
1.0.3.2 | p.25 | 各書誌的事項の情報源(それぞれの資料の情報源は第2章から第13章に。) |
1.0.3.2B | p.25 | 補記の記録(角がっこに入れる。) |
1.0.6.1 | p.27 | 転記の原則 |
1.0.6.4 | p.28 | 数字の記録 |
1.0.6.7 | p.28 | ISBD区切り記号法 |
1.1.1 | p.32 | 本タイトル |
1.1.1.1C | p.33 | 情報源によって、タイトルが相違しているとき |
1.1.1.2A | p.33 | ルビ |
1.1.4 | p.34 | タイトル関連情報 |
1.1.5 | p.35 | 責任表示 |
1.1.5.1C | p.35 | 2以上の個人や団体 |
1.1.5.1D | p.35 | 一つの責任表示に、個人や団体が「2まで」の場合と「3以上」の場合 |
1.1.5.2 | p.36 | 記録の方法 |
1.1.5.2C | p.36 | 責任表示の補記(角がっこに入れる。) |
1.2.1 | p.37 | 版表示 |
1.2.1.1C | p.37 | 刷次は記録しない |
1.3.0.0A | p.38 | 用いる資料は限定されている(第4章, 第5章, 第9章, 第10章, 第13章) |
1.4.1 | p.41 | 出版地、頒布地等 |
1.4.2 | p.41 | 出版者、頒布者等 |
1.4.2.2 | p.42 | 記録の方法(法人組織を示す語は省略。) |
1.4.3 | p.42 | 出版年、頒布年等 |
1.4.3.2A | p.43 | 西暦紀年で記録 |
1.4.3.2B | p.43 | 出版年が2年以上(開始年と終了年をハイフンで結ぶ。) |
1.5.1 | p.45 | 特定資料種別と資料の数量 |
1.5.3 | p.45 | 大きさ |
1.6.1 | p.47 | 本シリーズ名 |
1.6.6 | p.48 | シリーズ番号 |
1.7.1.1 | p.49 | 注記とするものの範囲 |
1.8.1 | p.51 | 標準番号 |
1.10.1.2 | p.52 | 巻次等の区切り記号(巻次等の前に、ピリオド、スペース) |
2.0.3.2 | p.56 | 各書誌的事項の情報源(標題紙, 奥付, 背, 表紙, その他) |
2.0.3.2C | p.57 | 補記の記録(角がっこに入れる。) |
2.0.6.1 | p.59 | 転記の原則 |
2.0.6.4 | p.60 | 数字の記録 |
2.0.6.7 | p.61 | ISBD区切り記号法 →1.0.6.7を見よ |
2.1.1 | p.61 | 本タイトル |
2.1.1.1E | p.63 | 「標題紙, 奥付, 背, 表紙」のタイトルが異なるとき |
2.1.1.2A | p.64 | ルビ |
2.1.4 | p.66 | タイトル関連情報 |
2.1.5 | p.66 | 責任表示 |
2.1.5.1D | p.67 | 2以上の個人や団体 |
2.1.5.1E | p.67 | 一つの責任表示に、個人や団体が「2まで」の場合と「3以上」の場合 |
2.1.5.2 | p.67 | 記録の方法(著作の種類を示す語を付す。著, 共著, 作, 文, 画, 撮影, 作曲, 編) |
2.1.5.2D | p.68 | 責任表示の補記(角がっこに入れる。) |
2.2.1 | p.69 | 版表示 |
2.2.1.1C | p.70 | 刷次は記録しない |
2.3 | p.71 | 図書の記述においては使用しない。 |
2.4.1 | p.71 | 出版地、頒布地等 |
2.4.1.2A | p.72 | 日本の出版地(市名の「市」は記録しない。東京都特別区は「東京」) |
2.4.2 | p.73 | 出版者、頒布者等 |
2.4.2.2 | p.74 | 記録の方法(法人組織を示す語は省略。) |
2.4.3 | p.75 | 出版年、頒布年等 |
2.4.3.2A | p.76 | 西暦紀年で記録 |
2.4.3.2B | p.76 | 出版年が2年以上(開始年と終了年をハイフンで結ぶ。) |
2.5.1 | p.78 | ページ数、図版数等 |
2.5.1.2 | p.78 | 記録の方法(アラビア数字。「p」「丁」「枚」「欄」を付加。最終ページの扱いの特例。) |
2.5.1.2B | p.79 | ページ付が2種以上(各ページ付ごとにコンマで区切る。) |
2.5.1.2E | p.79 | 2冊以上(冊数を記録。) |
2.5.3 | p.80 | 大きさ |
2.5.3.2 | p.80 | 記録の方法(センチメートル。端数を切り上げ。) |
2.5.3.2C | p.81 | 「縦長本、横長本、枡型本」は、縦×横 |
2.6.1 | p.82 | 本シリーズ名 |
2.6.6 | p.83 | シリーズ番号 |
2.7.1.1 | p.84 | 注記とするものの範囲 |
2.7.3.7 | p.87 | 内容に関する注記 |
2.8.1 | p.92 | ISBN |