図書館情報技術論

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1. 最新の情報技術
2. 図書館における新技術のニーズ
3. 図書館業務の効率化に役立つ最新技術
4. 新しい図書館サービスを実現する最新技術
5. 電子書籍と電子図書館

1. 最新の情報技術

1.1 高速インターネット―ブロードバンド

ブロードバンドの特徴とは？
- 高速のインターネット環境が「ブロードバンド」と呼ばれる。
- 日本では、光ファイバーを使った超高速のインターネットが普及している。

1.2 モバイル環境の進化

モバイル環境の特徴とは？
- 携帯電話、スマートフォン、タブレット端末などを使ってインターネットを利用する人が急激に増えている。
- モバイル機器の普及により、場所を選ばず、手軽にインターネットを利用することが可能となった。

1.3 クラウド・コンピューティング (Cloud computing)

クラウド・コンピューティングの特徴とは？
- インターネットなどのネットワーク上にあるサーバによってコンピュータのサービスを提供する技術。
- IT業界ではネットワークを雲（クラウド）の絵で描く習慣があるのでこのように呼ばれる。
- サービスを提供する側は巨大なデータセンターなどにサーバを用意する。
- メリットは、システム管理のアウトソーシングによるトータルコストの削減。
- データのバックアップやサーバの監視などはデータセンター側で行われる。

1.4 自動認識技術

「自動認識技術」とは？
- 物を管理するために重要な技術で、コンピュータへの入力を簡素化する。

バーコード／2次元コードとは？
- 身の回りでよく使われている。
- 印刷するだけなので非常に低価格で製造することができる。

2次元コードの例「QRコード」

出典: デンソーウェーブ - QRコード
 https://www.qrcode.com/ (accessed 2021-03-31)

ICタグ／RFID (Radio Frequendy Identification) とは？
- ICチップに記録した情報を電波で読み取る「電子荷札」。
- ICチップとアンテナで構成されている。
- バーコードなどに比べると高価。
- 電波で読み取るので箱の中に入っていても読めるし、複数のタグを同時に処理できる。
- 取り扱える情報量が大きく、情報を後から追加できる。

その他の自動認識技術とは？
- 白黒のバーコードに代わる「カラーコード」や、手書きの文字を認識するOCRなどがある。

カラーコードの例「カメレオンコード」
- 出典: シフト - カメレオンコード
  - https://www.shift-2005.co.jp/ (accessed 2021-03-31)

1.5 Web技術の進化

「Web2.0」とは？
- それまで情報の受け手であった利用者が、Webを通じて誰もが情報の発信者にもなるようになった。
- （例）「ブログ」や「SNS」など
- 利用者主体のメディアという意味で「CGM (Consumer Generated Media)」と総称されることもある。

「ブログ」とは？
- 日記風のWebサイトのこと。
- 紙の日記と異なり、広く一般に公開したり、他の人からコメントをもらうこともできる。
- ブログの機能を利用して書き手と読み手との間にコミュニティが形成される。

「SNS (Social Networking Service)」とは？
- 人と人とのつながりを促進するコミュニティ型のWebサイトのこと。
- FacebookやTwitterなどが有名。

「Webサービス」とは？
- Webの技術を使ってさまざまなシステムやソフトウェアの機能を提供するもの。
- サービス同士をつないで新しいサービスを構築することも簡単にできるようになっている。
- （例）飲食店情報と地図情報をつないで「グルメマップ」を作る。

「API (Application Programming Interface)」とは？
- APIが公開されている場合は、そのWebサービスをAPIに従って呼び出して利用することができる。
APIとは、あるコンピュータプログラム（ソフトウェア）の機能や管理するデータなどを、外部の他のプログラムから呼び出して利用するための手順やデータ形式などを定めた規約のこと。
- 出典: e-words - API 【 Application Programming Interface 】
  - https://e-words.jp/ (accessed 2021-03-31)

APIの概要については、国立国会図書館サーチの解説ページが参考になる。
- 出典: 国立国会図書館 - 外部提供インタフェース（API）
  - https://iss.ndl.go.jp/information/api/ (accessed 2021-03-31)

「対応しているインタフェースの一覧と概要」は以下のとおり。
- 出典：国立国会図書館サーチ外部提供インタフェース仕様書（第1.23版） 2018.01.04. p. 1.
- 参考リンク: 出典 (オリジナル) [763 KB]
  - https://iss.ndl.go.jp/information/wp-content/uploads/2018/05/ndlsearch_api_20180322_jp.pdf (accessed 2021-03-31)

国立国会図書館サーチのAPIの使用例

「OpenURL」で、著者を「宮沢賢治」、タイトルを「図書館幻想」とした場合の例

http://iss.ndl.go.jp/api/openurl?au=宮沢賢治&title=図書館幻想

上記は、以下のような要素からなる。

http://iss.ndl.go.jp/api/openurl?	OpenURLを使って国立国会図書館サーチを検索する
au=宮沢賢治	著者の検索文字列を「宮沢賢治」とする
&	前後の検索項目をAND検索する
title=図書館幻想	タイトルの検索文字列を「図書館幻想」とする

なお、実際のリクエストURLはUTF-8でエンコードしたものになる。
また、送信の際に問題となる一部の文字は「%」でエスケープされて送信される。
（以下は、上記の例の実際の送信内容）

http://iss.ndl.go.jp/api/openurl?au=%E5%AE%AE%E6%B2%A2%E8%B3%A2%E6%B2%BB&title=%E5%9B%B3%E6%9B%B8%E9%A4%A8%E5%B9%BB%E6%83%B3
上記のURLを送信すると、検索結果がHTMLで返される。
返される画面は、Webでの検索結果画面と同一。

1.6 人間をめざすコンピュータ

「エージェント技術」、「ロボット技術」とは？
- コンピュータを人間に近づけるような技術。

2. 図書館における新技術のニーズ

2.1 利用者ニーズの変化

利用者ニーズの変化の背景にはどのような要因があるか？
- 図書館を利用する人の変化（少子高齢化による利用者層の変化、インターネットの普及によるライフスタイルの変化、利用者の読書習慣の変化など）により、利用者が図書館に求めるものも変化している。

新しい利用者ニーズにはどのようなものがあるか？
- 快適な読書空間としての利用。
- 交流の場としての利用。

2.2 労働市場の変化

少子高齢化社会で、図書館という「職場」では何が必要になってくるか？
- 将来の労働力人口が減少することが予想されており、業務の効率化や省力化が必要。

2.3 環境の変化

社会全体の環境の変化は、どのように図書館に影響するか？
- 経済環境の変化による予算の削減。
- 老朽化した施設の耐震化などの対策。
- 東日本大震災で被害を受けた図書館の復旧。

3. 図書館業務の効率化に役立つ最新技術

3.1 ICタグ

ICタグは図書館にいつ頃から導入されたか？
- 2000年代に、宮崎県北方町（現、延岡市立図書館北方分館）や千葉県富里市などで先駆的に導入。

ICタグは「貸出・返却」、「蔵書点検／棚卸し」、「盗難防止」などにどのように使われるか？
- 貸出・返却
  - バーコードの代わりに使われる。（ICタグリーダ／ライタが必要。）
  - 「セルフ貸出機」にも使われる。
  - 複数のタグを同時に処理できるため業務の効率化に役立つ。
  - 利用者の待ち時間の短縮にも役立つ。
- 蔵書点検／棚卸し
  - バーコードの代わりに使われる。（専用のハンディスキャナ等が必要。）
  - 「自動棚卸システム」による蔵書点検にも使われる。
  - 蔵書点検にかかる時間が短縮され開館日数を増やすことができる。
  - 利用者サービスの向上にもつながる。
- 盗難防止
  - ICタグにより貸出処理の有無をチェックする。
  - タトルテープなどによる盗難防止装置の代わりに使われる。
  - タトルテープより認識率は劣るが、ICタグ導入館では費用対効果の面で有利。

ICタグの課題
- 価格の問題
  - 1タグ30円としても、たとえば100万冊の場合はタグだけで3000万円かかる。
- 故障の問題
  - 故障したり寿命が尽きた場合は再度購入して貼付する必要がある。
- 標準化の問題
  - 13.56MHz帯のものやUHF帯のものなどがあり標準化されていない。

3.2 セルフ貸出機

セルフ貸出機のメリットにはどのようなものがあるか？
- 図書館スタッフの作業の軽減、利用者のプライバシー保護、など。

セルフ貸出機の例「3M 自動貸出返却装置」

出典: 3M - 自動貸出返却装置
[現在はリンク切れ. 「業務停止のお知らせ」のページにリンク]
http://www.mmm.co.jp/library/abc/index.html (accessed 2016-04-01)

3.3 自動書庫―ロボット技術の応用

自動書庫のメリットにはどのようなものがあるか？
- 省力化、待ち時間の短縮、スペースの節約、など。

自動書庫の例「自動書庫 BOOK ROBO」
- 出典: KONGO施設カタログ [現在はリンク切れ]
  - https://www.kongo-corp.co.jp/product/_userdata/KONGO_Vol9-3/html5.html#page=89 (accessed 2019-04-01)
- 出典: YouTube - KongoChannel「自動書庫bookrobo」
  - https://www.youtube.com/watch?v=7db78ON747k (accessed 2021-03-31)

3.4 自動棚卸システム

「棚卸しの自動化」とは？
- ICタグを導入した図書館で、本棚にアンテナを設置して瞬間的に棚卸を行うシステム。

「自動棚卸システム」は棚卸し作業以外にどのような業務に応用できるか？
- 毎日でも毎分でもチェック可能。（蔵書点検の日常化）
- 不明本を発見するタイミングも早まる。
- 現在その本が実際に存在する場所がわかるため、間違った棚にある本の一覧も出力できる。
- 本棚から手に取って、貸出はせずに本棚に戻した本のカウントも可能。（館内利用統計）
- 「立ち読みランキング」なども出せるようになる。
- 自動棚卸システムを応用して予約棚の管理システムを作り、セルフ貸出と連動させることもできる。

3.5 クラウド・コンピューティング

図書館にクラウド技術を導入した場合のメリットと課題とは？
- メリット
  - 業務用のサーバの管理をサービスプロバイダーに任せることが可能。
- 課題
  - セキュリティ対策。
  - 個人情報保護の問題。
  - システムを提供する企業の倒産リスク、など。

4. 新しい図書館サービスを実現する最新技術

4.1 高速インターネット接続サービス―ハイブリッド型図書館へ

図書館でインターネット接続を提供する場合の提供方法とは？
- 利用者用のパソコンの提供。
- 利用者が自分のパソコンを持ち込んで接続できる情報コンセントの提供。
- パソコンの貸出サービス。
- 無線LAN環境の提供。

図書館でインターネット接続を提供する場合の留意点とは？
- セキュリティ面から、業務用のネットワークとは別にする。
- 提供パソコン自体もセキュリティ対策が必要。
- 子どもが有害サイトにアクセスできないようなフィルタリングの導入。

4.2 コミュニケーションの進化

図書館ではブログやSNSをどのように活用しているか？
- イベントの案内、休館日や新着図書のお知らせ、など。

4.3 検索の高度化―本との出会い

「横断検索」とは？
- 複数の図書館の所蔵をまとめて検索できるシステム。
- 都道府県の単位で提供されることが多い。
- 民間のサービスでは「カーリル」などがある。

「連想検索」とは？
- 自然な日本語の文章などで検索ができるもの。

「連想検索」の例「Webcat Plus」

出典: 国立情報学研究所 - Webcat Plus
http://webcatplus.nii.ac.jp/ (accessed 2021-03-31)

「連想検索」の例「想−IMAGINE Book Search」
- 出典: NPO法人連想出版 - 想−IMAGINE Book Search
  - http://imagine.bookmap.info/index.jsp (accessed 2021-03-31)

「付加価値のついた検索」とは？
- 検索結果に付加価値を付けて提供するサービス。
- 関連する本やおすすめの本を紹介する「レコメンド機能」などがある。

特徴のある検索サービスの例「千代田区立千代田図書館新書マップコーナー」
- 2007年5月のリニューアルオープン時に「新書マップコーナー」を設置。
- 他に例のないサービスであり、全国から注目された。
千代田図書館の目玉「新書マップコーナー」では、約3,500 冊のIC タグが付いた新書と12 台の専用端末を使って、新書の内容と関連する情報を収集して目の前の端末画面で見ることができます。情報をしぼり込む従来の検索とは違い、インスピレーションを刺激して発想を広げるための検索システムです。
- 出典: 千代田区立千代田図書館「新書マップコーナー『想・IMAGINE』使い方講座」
  - https://www.library.chiyoda.tokyo.jp/information/20070727-11102/ (accessed 2021-03-31)
- 「新書マップコーナー」は、連想出版の「WEBマガジン［KAZE］風」の記事「新書マップが新千代田図書館の“顔”に」にもとりあげられ、「今までのように、調べたいキーワードや文章を考えて、キーボードから入力して情報を探すのではなく、気になる新書を何冊か組み合わせて置くだけで、それらを基点として関連情報の収集を始められるわけだ。」と紹介されていた。
- 出典: WEBマガジン［KAZE］風 - 新書マップが新千代田図書館の“顔”に
  - http://kaze.shinshomap.info/special/05/01.html (accessed 2021-03-31)
- その後、新書マップのサービスは、2008年3月で終了。
- 新書マップコーナーだった場所は「情報探索コーナー」となった。

4.4 Webサービス

「野田市立図書館」が活用しているWebサービスの技術とは？
- Web OPAC の機能を Web サービスを使って拡張している。（web-OPAC+）
- トップページから検索することによって、入力サポート機能、デジタル図書館（電子資料の紹介）、外部サイトへのリンク、などを利用することができる。
- 出典: 野田市立図書館
  - http://www.library-noda.jp/ (accessed 2021-03-31)

4.5 その他

「山中湖情報創造館」の24時間サービスとは？
- 閉館後も利用者カードを使って入館し、風除室内の返却ポストや24時間貸出ボックスが利用できるサービス。
24時間受取ボックス／返却ポスト

山中湖情報創造館では、閉館後もご利用いただけるサービスを提供しております。開館時間前または閉館時間後でもご利用ください。

ドアの開け方

閉館時にドアを開けるには、ドアの右手にある解除ボックスに、利用者カードを下から差し込みます。

※利用者登録時に16才に達していない方はご利用できません。
※利用登録後16才以上になった方は、制限解除ができますので利用者カードを持参の上カウンターでお申し付け下さい。

利用者カードが正しく認識されると、外側のドアが開きます。内側のドアは閉館時には施錠しておりますので、この風除室内までは入出できるようになります。
- 出典: 山中湖情報創造館 - 24時間受取ボックス／返却ポスト [現在はリンク切れ]
  - http://www.lib-yamanakako.jp/guide/guide08.html (accessed 2015-04-01)

「東京都稲城市立中央図書館」の24時間貸出サービス

ICタグを活用した蔵書棚卸しの自動化、24時間の図書貸し出しサービス、無線LANを活用したホットスポットの提供―。稲城市立中央図書館には、図書館として「日本初」の試みがいくつも並ぶ。地域の「インフォメーションセンター」を目指した同館の取り組みは、利用者からも評価された。2008 年の『図書館年鑑』によると、人口6万～8万人の都市における「貸し出し冊数で全国1位」に輝いた。審査委員会では、利用者に対して平等な学びの機会を提供し支援するものとして評価された。【以下、略】
- 出典: 日経BP社 ITpro - すべての蔵書にICタグ装着同規模都市で全国1位の図書館に
  - https://xtech.nikkei.com/it/article/COLUMN/20090630/332904/ (accessed 2021-03-31)

5. 電子書籍と電子図書館

5.1 電子書籍の流通の拡大

電子書籍をネットワークからダウンロードして読む機器にはどのようなものがあるか？
- パソコン、携帯電話、スマートフォン、電子書籍リーダ、タブレット端末、など。

アメリカで電子書籍の売り上げがハードカバーの売り上げを超えたのはいつ頃といわれているか？
- 2012年頃、といわれている。

5.2 電子図書館とは

電子図書館の特徴とは？
- 図書館が「電子情報（電子化情報）」とインターネットを中心とした「情報環境」とを結びつけるサービス。
- 情報の加工性に優れているため、利用者のニーズに応じた情報提供ができる。（例：縦書き・横書きの変換、文字の拡大・縮小、ルビの付与、など）
- 文字の情報に限定されない。（例：画像、動画、音声、など）
- 利用者サービスの向上の観点から、情報の地域格差をなくしたり、来館困難者へのサービスの意義もある。

5.3 電子書籍と電子図書館サービス

千代田区立図書館の「千代田Web図書館」とは？
- 電子書籍を使った電子図書館サービス。
- 出典: 千代田Web図書館
  - https://www.d-library.jp/chiyoda/ (accessed 2021-03-31)

図書館流通センターの「電子図書館サービス TRC-DL」とは？
- 民間企業が提供する電子図書館サービスのひとつ。
- 現在は、日本電子図書館サービスの「LibrariE」というサービスも提供している。
- 「LibrariE & TRC-DL」のパンフレットでは「電子図書館を導入する“メリット”とは？」として、「図書館をもっと身近に、便利に」「非来館者サービスが充実」「省力化・省スペース化」が挙げられている。
- 出典: 図書館流通センター - 電子図書館サービス TRC-DL
  - https://www.trc.co.jp/solution/trcdl.html (accessed 2021-03-31)
- 出典: 図書館流通センター - パンフレット「LibrariE & TRC-DL」 [1,948 KB]
  - https://www.trc.co.jp/information/pdf/201910_trcdl.pdf (accessed 2021-03-31)

国立国会図書館の「国立国会図書館電子図書館構想」とは？
- 1998(平成10)年に発表。
- 「第1章国立国会図書館が実現する電子図書館」の「2.本構想における電子図書館の定義」では、下記のように記載されている。
2.本構想における電子図書館の定義

本構想においては、国立国会図書館が実現する電子図書館を「図書館が通信ネットワークを介して行う一次情報（資料そのもの）及び二次情報（資料に関する情報）の電子的な提供とそのための基盤」と定義する。電子図書館では、電子出版物を通信ネットワークを介して提供するとともに、印刷物で蓄積している資料を電子化して提供する。これによって、当館が行う図書館サービスの拡充・改善を図ることができ、利用者に対し迅速かつ豊富なサービスを実施することが可能となる。電子図書館は、以下の点で図書館サービスの拡張・発展をもたらすものである。
- 地域等による情報へのアクセスの格差の是正
- 様々な種類の情報の統合的な入手と利用
- 情報通信技術を用いた多様な機能の実現
- 情報へのアクセスにおける経済性と効率性の実現
- 出典: 国立国会図書館 - 国立国会図書館電子図書館構想 - 第1章国立国会図書館が実現する電子図書館 [現在はリンク切れ]
  - http://www.ndl.go.jp/jp/aboutus/elib_plan.html
- 参考リンク: 国立国会図書館インターネット資料収集保存事業(WARP) に保存されたページ
  - https://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/8945487/www.ndl.go.jp/jp/aboutus/elib_plan.html (accessed 2021-03-31)

国立国会図書館の「NDLデジタルアーカイブシステム」とは？
- 2009(平成21)年に運用開始。
- 「NDLデジタルアーカイブシステム」解説のページでは、その目的として以下の3項目が挙げられている。
デジタル情報の収集・蓄積
次のようなデジタル情報を広く収集・蓄積します。
- ウェブサイト
- インターネット上の白書・年報・電子雑誌等、著作物の形態で切り出せるもの
- 貴重書や図書・雑誌などのデジタル化された資料
デジタル情報の長期的な保存と利用

インターネット上の情報は、容易に消失・散逸してしまうおそれがあります。また、デジタル形式の資料も、新しい技術や規格にとって代わられたり、保存媒体の経年劣化が生じたりして利用できなくなる可能性があります。これらも、紙媒体の資料と同様、国民共有の情報資源、重要な文化遺産であるため、長期的に保存し、利用できるようにしていくことが必要です。
他システムとの連携・協働

国内外の各種ポータルサイト等の他システムとメタデータを基にした連携機能を実現します。
解決が困難な課題への対処、技術標準の整備等の推進にあたっては、他システム等との協働を図ります。
デジタルアーカイブの全体イメージ
- 出典: 国立国会図書館 - NDLデジタルアーカイブシステム [現在はリンク切れ]
  - http://www.ndl.go.jp/jp/aboutus/ndl-da.html
- 参考リンク: 国立国会図書館インターネット資料収集保存事業(WARP) に保存されたページ
  - https://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/8977028/www.ndl.go.jp/jp/aboutus/ndl-da.html (accessed 2021-03-31)

「青空文庫」とは？
- ボランティアによって運営されており、著作権が切れた文学作品を中心に、インターネットで公開している。
- 出典: 青空文庫
  - https://www.aozora.gr.jp/ (accessed 2021-03-31)

Googleの「Google ブックス」、「図書館まるごとデータベース計画」とは？
- 「Google ブックス」は、書籍の全文検索を提供するサービス。
- 出典: Google ブックス
  - https://books.google.co.jp/ (accessed 2021-03-31)
- もともとは出版社から提供された書籍を対象とし、「Google Print」という名称で2004年10月開始。
- その後、2004年12月に、図書館と提携した蔵書デジタル化計画「Google Print Library Project」を発表。この計画が「図書館まるごとデータベース計画」と呼ばれた。
- 下記の解説ページによると、当初の提携図書館は5館だった。
The Libraries of Harvard, Stanford, the University of Michigan, the University of Oxford, and The New York Public Library Join with Google to Digitally Scan Library Books and Make Them Searchable Online
- 出典: Google - Google Checks Out Library Books
  - http://googlepress.blogspot.jp/2004/12/google-checks-out-library-books.html (accessed 2021-03-31)
- その後、2005年に「Google Book Search」、2009年に「Google Books」に名称変更。
- 対象データの入手方法は、以下の2種類がある。
  - パートナープログラム (Google Books Partner Program)
    - 出版社や著者から提供された電子書籍や印刷版の書籍が対象。
    - 印刷版の場合は Google がデジタル化する。
  - 図書館プロジェクト (Google Books Library Project)
    - Google と提携した、全世界の大規模図書館の蔵書が対象。
    - 提携図書館の蔵書を Google がデジタル化する。
- データの表示には、以下の4種類がある。
  - 全体表示 (Full View)
    - 著作権が失効している場合、または出版社もしくは著者の許可がある場合は、すべてのページが表示される。
  - 限定プレビュー (Limited View)
    - 出版社もしくは著者の許可がある場合は、書籍の数ページのみが表示される。
  - スニペット表示 (Snippet View)
    - 書籍の画像は表示されず、検索用語を含む文章の一部のテキストのみが表示される。
  - プレビューを利用できません (No Preview Available)
    - 画像、テキストのどちらも表示されず、図書カードカタログなどの書籍の基本情報のみが表示される。
- 出典: Google ブックス - Google ブックスページにアクセスすると、どのような画面が表示されますか
  - https://books.google.co.jp/intl/ja/googlebooks/screenshots.html (accessed 2021-03-31)

図表出典: ライブラリー図書館情報学 3 図書館情報技術論日高昇治著第2版学文社 2017