• 1. HTML ファイルと文字表示
• 2. HTML ファイルと文字コード
• 3. 文字コードの規格

1. HTML ファイルと文字表示

• この授業では、Web資料に Python のサンプルを表示してきた。
• その中には、HTML のタグが含まれているものもあった。
  (例)

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  print(' <td><a href="%s%s" target="_blank">%s</a></td>' % (ciniiurl, isbn, isbn), file=fhtml)
  

  ---

• しかし、よく考えると、上記の例のような表示ができるのはなぜか、疑問を感じる。
• HTML のファイルでは、「タグは、外からは見えない」はずなのに、なぜ表示されているのか?

文字参照

• 実は、上記の例では、タグを示す不等号記号の「<」と「>」の代わりに、ある特殊な文字が入力されているのである。
• 具体的には、以下のように入力されている。

  表示形	入力文字
  <	&lt;
  >	&gt;

• 上記のように、不等号記号1文字の代わりに、半角の記号と英字を組み合わせた4文字が入力されていたのである。
• このように、HTML の規格では、いくつかの特定の文字について、代わりとして使用できる文字列が用意されている。
• このような文字は、まず「&」という記号で始まり、いくつかの英字をはさみ、最後に「;」で終わるようになっている。
• HTML の規格では、「character reference names」(文字参照名) と呼ばれている。
• よく使われるものには、以下のようなものがある。

  表示形	入力文字	意味
  &	&	アンパサンド
  ©	©	コピーライト
  "	"	二重引用符

• [参考] HTML 規格の以下のページには、このような文字の一覧が掲載されている。
  • https://html.spec.whatwg.org/multipage/named-characters.html

数値文字参照

• HTML の規格では、ある文字を、Unicode の文字番号で示すこともできる。
• 文字番号の示し方は、10進数と16進数の2つの方式があり、どちらも結果は同じになる。
• 上記の例の5文字を10進数で入力すると、以下のようになる。

  表示形	入力文字
  <	&#60;
  >	&#62;
  &	&#38;
  ©	&#169;
  "	&#34;

• 数値文字参照は、Unicode のすべての文字に使うことができる。
• 特に、ある特定の文字を厳密に指定したい場合は、この方法が適している。
• 日本語の漢字やひらがな、カタカナ、記号なども、この方法で表示することができる。
  (例)

  表示形	入力文字
  ど	ど
  ん	ん
  ぐ	ぐ
  り	り
  と	と
  山	山
  猫	猫

2. HTML ファイルと文字コード

• HTML の規格では、HEAD要素に、ファイルの文字コードを記載することができる。
  (例)

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  <meta http-equiv="Content-Type" content="text/html; charset=utf-8">
  

  ---

• 上記の例では、「charset=utf-8」という部分で、「utf-8」という文字コードを使用していることを宣言している。
• Web ブラウザは、この文字コードの指定を読み取り、それに従って動作することによって、文字データを正しく認識し、表示することができる。
• 「utf-8」は、Unicode を表現するコード規格の1つであり、現在は世界で広く使われている。
• なお、「utf-8」以前に、日本語を表現するために使われていた文字コードには、以下のようなものがある。
  • ISO-2022-JP
  • Shift_JIS
  • EUC-JP

• [参考] Internet Assigned Numbers Authority の以下のページには、文字コード規格の一覧が掲載されている。
  • https://www.iana.org/assignments/character-sets/character-sets.xhtml

誤ったコード指定の事例

• ここで、誤った指定をした場合の例を挙げる。
• サンプルとして青空文庫の「どんぐりと山猫」を用いる。
  • 出典: 青空文庫 - 宮沢賢治 - どんぐりと山猫
    https://www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/43752_17657.html

• 以下のファイルはすべて、実際の文字コードは「Shift_JIS」である。
• ただし、それぞれの HEAD 要素を、それぞれの文字コードに書き換えてある。
• 実際のコードと HEAD 要素のコードが異なる場合には、正しく表示できないことを確かめてみること。
  • ISO-2022-JP: donguri1iso.html
  • Shift_JIS: donguri2sjis.html
  • EUC-JP: donguri3euc.html
  • utf-8: donguri4u8.html

3. 文字コードの規格

• 現在、広く使われている規格は Unicode である。
• Unicode は Unicode Consortium によって開発され、現在も随時改訂されている。
  • https://home.unicode.org/
• また、国際規格の ISO/IEC 10646 は、内容的に Unicode とほぼ同じものとなっている。
  • https://www.iso.org/standard/76835.html
• 日本のJIS規格 JIS X 0221 は、ISO/IEC 10646 の日本語版にあたる。
  (以下の検索画面から、規格番号等で検索できる。ただし閲覧は利用者登録が必要。)
  • https://www.jisc.go.jp/app/jis/general/GnrJISSearch.html

Windows 95 が登場した頃の日本語の文字コード

• Windows 95 が登場した頃の状況については、下記を参照。
  • Windows95標準装備文字について

• この頃、日本語の文字コードは、大きく分けて、いわゆる1バイト系と2バイト系とが存在した。
• さらに、2バイト系のコードには、JIS規格のものと、それ以外にコンピュータメーカーが独自に設定したものとがあった。
• 基本的には、JIS規格の文字はすべてのメーカーで扱うことができたが、独自の文字には互換性のないものもあった。
• また、JIS規格自体にも問題があった。
• たとえば、1983年と1990年のJIS規格改正において、いくつかの文字の字形やコードが変更され、それ以前とは互換性がなくなっている部分があった。
• 字形が変更された文字には、たとえば以下のようなものがある。
  • 18-10 鴎
  • 34-79 啄
  • 47-25 蝋
• コードが変更された文字には、たとえば以下のようなものがある。
  • 16-19 鯵 -- 82-45 鰺
  • 18-09 鴬 -- 82-84 鶯
  • 19-34 蛎 -- 73-58 蠣

Unicode の結合用記号

• Unicode には、ある文字と連続して用いることによって、記号などを付与することができる機能がある。
• この機能は、たとえば欧米のアルファベットに発音符号を付与する際に用いられる。
• 日本語においては、かな文字の濁音と半濁音に、この機能を用いることができる。
• その際に使われるものの文字番号 (10進数と16進数) は、それぞれ下記のとおり。
  • 12441: 3099: 結合用濁音
  • 12442: 309A: 結合用半濁音
• HTML では、これを数値文字参照で表現することも可能である。
  (例) ひらがなの「か」、カタカナの「カ」に濁音と半濁音を付与

  表示形	入力文字
  が	が
  が	が
  か゚	か゚
  ガ	ガ
  ガ	ガ
  カ゚	カ゚