>
図書館司書課程(小原担当) 授業資料
>
図書館司書課程の学習について
1. 大学での学習全般
1.1. 学習のポイント
- 分からないことの重要性
- 「分からないこと」に気づくことは、学習の重要なステップのひとつです。
- 何が、どう「分からない」のかを考えることによって、理解が深まっていきます。
- 小さなことの積み重ね
- 学習の効果が、期待していたより小さくても、悲観することはありません。
- ひとつひとつは小さなことも、積み重ねるたびに、大きく成長していくでしょう。
- 同じことの繰り返し
- 身につけることが容易な知識や技能は、容易に失われてしまいがちです。
- 知識や技能を維持するためには、時間をかけて「同じ(ように思える)こと」を繰り返すことが大切です。
- 同じことを繰り返しているつもりでも、実は繰り返すたびに少しずつ違いが生じます、
- 繰り返しによって蓄積される経験が、学習を支える重要な要素となります。
1.2. 時間の配分
- 最低必要な学習時間
- 2単位の科目では、1回の授業ごとに「270分」の学習が必要とされています。
- 「270分」の内訳は、「授業 90分 + 予習 90分 + 復習 90分」が目安とされています。
- 学習時間の分散化
- 学習と学習の間の時間をできるだけ短くすることが、学習には効果的です。
- そのためには、予習や復習の時間を分散させる必要があります。
- 毎日の時間配分の例
- 以下は、1週間の学習時間をできるだけ分散させるように考慮した例です。
- 授業のある日(週に1日)は、授業 = 90分
- 授業のない日(週に6日)は、毎日30分 × 6日 = 180分
- 授業のない日の30分はさらに分散させ、朝10分 + 昼10分 + 夜10分 = 30分
1.3. 継続の要素
- 健康管理
- 自分の健康を自分で適切に管理できることは、生きていくための基本です。
- 精神的な支え
- 自分は「これがあるから生きていける」というものを持ちましょう。
- 困難に直面したときに自分を支えてくれます。
- 失敗から学ぶこと
- 失敗したからこそ学ぶことができることも数多くあります。
- 失敗を恐れずに学習を進めましょう。
2. 図書館司書課程科目の学習
2.1 出版物の活用
- テキストや関連文献
- 学習者用のテキストや関連文献が、複数の出版者から出版されています。
- 現在市販されている主なシリーズには、下記のようなものがあります。
- 日本図書館協会:JLA図書館情報学テキストシリーズ
- 学文社:ベーシック司書講座
- 学文社:ライブラリー図書館情報学
- 樹村房:現代図書館情報学シリーズ
- ミネルヴァ書房:講座・図書館情報学
- 青弓社:事例で学ぶ図書館
- 図書館から借りたり、自分で購入したりして、できるだけ多くの文献に触れてみましょう。
- 興味のある個所を拾い読みするだけでも役に立ちます。
- 図書館でよく利用される資料
- 図書館利用者に人気のある資料には、たとえばベストセラーやロングセラーの図書や、定評のある雑誌・新聞など、さまざまなものがあります。
- それらの現物を、自分でも実際に手に取って読んでみることも大切です。
- 出版に関する情報
- 新刊案内や書評など、出版に関する情報も多数あるので、チェックしましょう。
- 図書だけでなく、専門の書評紙や新聞の読書欄など、さまざまな形で提供されています。
2.2. ウェブの活用
- 最近のニュースなど
- 代表的なオンライン目録
- 図書館関連機関
- 司書の仕事に関する情報
- 新刊・近刊情報
- ベストセラー情報
- 新聞読書欄・書評紙
3. テキストと関連書
3.1. 日本図書館協会:JLA図書館情報学テキストシリーズ [第3期]
- 1. 図書館概論 5訂版. 塩見昇. 2018.12.
- 2. 図書館制度・経営論. 永田治樹. 2016.3.
- 4. 図書館サービス概論. 小田光宏, 庭井史絵. 2023.12.
- 5. 情報サービス論. 小田光宏. 2012.8.
- 6. 児童サービス論 新訂版. 堀川照代. 2020.3.
- 7. 情報サービス演習 新訂版. 大谷康晴, 齋藤泰則. 2020.11.
- 8. 図書館情報資源概論 3訂版. 馬場俊明. 2024.1
- 9. 情報資源組織論 3訂版. 柴田正美, 高畑悦子. 2020.3.
- 10. 情報資源組織演習 3訂版. 和中幹雄, 横谷弘美. 2023.1.
- 11. 図書・図書館史. 小黒浩司. 2013.1.
- 12. 図書館施設論. 中井孝幸, 川島宏, 柳瀬寛夫. 2020.3.
- 別巻. 図書館員のための生涯学習概論. 朝比奈大作. 2013.2.
3.2. 学文社:ベーシック司書講座
- 1. 図書館の基礎と展望 第2版. 二村健. 2019.6.
- 2. 図書館情報技術論. 齋藤ひとみ, 二村健. 2012.3.
- 3. 情報資源組織論 第2版. 榎本裕希子, 石井大輔, 名城邦孝. 2019.8.
- 4. 情報サービス論. 竹之内禎. 2013.10.
- 5. 図書館制度・経営論 第2版. 手嶋孝典. 2017.4.
- 6. 図書館サービス概論. 平井歩実, 二村健. 2018.3.
- 7. 児童サービス論. 望月道浩, 平井歩実. 2015.3.
- 8. 図書館情報資源概論. 藤田岳久. 2016.10.
- 9. 図書館施設特論. 福本徹. 2012.3.
- 10. 図書・図書館史. 千錫烈. 2014.2.
3.3. 学文社:ライブラリー図書館情報学
- 1. 生涯学習概論. 渡部幹雄. 2016.1.
- 2. 図書館概論 第4版. 大串夏身, 常世田良. 2022.3.
- 3. 図書館情報技術論 第3版. 日高昇治. 2022.12.
- 4. 図書館制度・経営論 第2版. 柳与志夫. 2019.2.
- 5. 図書館サービス概論 第2補訂版. 金沢みどり. 2022.12.
- 6. 情報サービス論及び演習 第3版. 中西裕, 伊藤民雄, 青野正太. 2023.3.
- 7. 児童サービス論 第3版. 金沢みどり, 柳勝文. 2022.1.
- 8. 図書館情報資源概論. 伊藤民雄. 2012.9.
- 9. 情報資源組織論及び演習 第3版. 那須雅煕, 蟹瀬智弘. 2020.9.
- 10. 図書・図書館史. 綿拔豊昭. 2014.4.
3.4. 樹村房:現代図書館情報学シリーズ
- 1. 図書館概論 改訂. 高山正也, 岸田和明. 2017.8.
- 2. 図書館制度・経営論. 糸賀雅児, 薬袋秀樹. 2013.12.
- 3. 図書館情報技術論. 杉本重雄. 2014.3.
- 4. 図書館サービス概論 改訂. 高山正也, 村上篤太郎. 2019.4.
- 5. 情報サービス論 改訂. 山﨑久道, 原田智子. 2019.3.
- 6. 児童サービス論. 植松貞夫, 鈴木佳苗. 2012.10.
- 7. 情報サービス演習 3訂. 原田智子. 2021.3.
- 8. 図書館情報資源概論 改訂. 岸田和明. 2020.3.
- 9. 情報資源組織論 3訂. 田窪直規. 2020.3.
- 10. 情報資源組織演習 3訂. 小西和信, 田窪直規. 2021.7.
- 11. 図書・図書館史. 佃一可. 2012.4.
- 12. 図書館施設論. 植松貞夫. 2014.3.
3.5. ミネルヴァ書房:講座・図書館情報学
- 1. 生涯学習概論. 渡邊洋子. 2014.4.
- 2. 図書館概論. 山本順一. 2015.5.
- 3. 図書館制度・経営論. 安藤友張. 2013.3.
- 4. 図書館情報技術論 第2版. 塩崎亮, 今井福司, 河島茂生. 2022.5.
- 5. 図書館サービス概論. 小黒浩司. 2018.9.
- 6. 情報サービス論. 山口真也, 千錫烈, 望月道浩. 2018.3.
- 7. 児童サービス論. 伊香左和子, 塚原博. 2023.4.
- 8. 情報サービス演習. 中山愛理. 2017.1.
- 9. 図書館情報資源概論. 藤原是明. 2018.9.
- 10. 情報資源組織論 第2版. 志保田務. 2016.4.
- 11. 情報資源組織演習. 竹之内禎 [ほか]. 2016.9.
- 12. 図書・図書館史. 三浦太郎. 2019.8.
3.6. 青弓社:事例で学ぶ図書館
- 1. 事例で学ぶ図書館サービス概論. 吉井潤. 2022.1.
- 2. 事例で学ぶ図書館制度・経営論. 吉井潤. 2022.10.
- 3. 事例で学ぶ図書館情報資源概論. 吉井潤. 2023.8.
3.7. 2020年以降に出版された関連書から
3.7.1. 図書館全般について
- 新編図書館員への招待 補訂版. 塩見昇, 木下みゆき. 教育史料出版会. 2022.7.
- 図書館情報学事典. 日本図書館情報学会. 丸善出版. 2023.7.
- 闘う図書館 アメリカのライブラリアンシップ (筑摩選書 239). 豊田恭子. 筑摩書房. 2022.10.
- 司書のお仕事 2 本との出会いを届けます (ライブラリーぶっくす). 大橋崇行. 勉誠出版. 2020.11.
- 夜明けの図書館 7 (Jour comics). 埜納タオ. 双葉社. 2021.2.
- 日本の最も美しい図書館 改訂版. 立野井一恵. エクスナレッジ. 2023.10.
- 世界の図書館を巡る 進化する叡智の神殿. gestalten. マール社. 2023.8.
3.7.2. 情報サービス関連
- ネット情報におぼれない学び方 (岩波ジュニア新書 964). 梅澤貴典. 岩波書店. 2023.2.
- 調べる技術 国会図書館秘伝のレファレンス・チップス. 小林昌樹. 皓星社. 2022.12.
- 実践自分で調べる技術 (岩波新書 新赤版 1853). 宮内泰介. 岩波書店. 2020.10.
- 図書館活用術 新訂第4版. 藤田節子. 日外アソシエーツ. 2020.2.
- プロ司書の検索術 (図書館サポートフォーラムシリーズ). 入矢玲子. 日外アソシエーツ. 2020.10.
- 問題解決のためのレファレンスサービス 改訂版. 長澤雅男, 石黒祐子. 日本図書館協会. 2023.11.
- レファレンスブックス 選びかた・使いかた 4訂版. 長澤雅男, 石黒祐子. 日本図書館協会. 2020.6.
- れふぁれんす百題噺 (JLA図書館実践シリーズ 42). 槇盛可那子, 樋渡えみ子. 日本図書館協会. 2020.6.
- スキルアップ!情報検索 新訂第2版. 中島玲子, 安形輝, 宮田洋輔. 日外アソシエーツ. 2021.1
- Webで学ぶ情報検索の演習と解説. 野口武悟, 千錫烈. 日外アソシエーツ. 2023.3.
- 図書館と情報技術 検索技術者検定3級対応 3訂. 田窪直規. 樹村房. 2023.3.
- 検索スキルをみがく 検索技術者検定3級公式テキスト 第2版. 原田智子. 樹村房. 2020.5.
- プロの検索テクニック 検索技術者検定2級公式推奨参考書 第2版. 原田智子. 樹村房. 2020.8.
3.7.3. 情報資源組織関連
- 情報資源組織法 第3版. 志保田務, 高鷲忠美. 第一法規. 2021.3
- 分類・目録法入門 新改訂第6版. 志保田務, 田村俊明, 村上幸二. 第一法規. 2020.2.
- 分類法キイノート. 第3版補訂. 宮沢厚雄. 樹村房. 2020.5.
- 『日本目録規則2018年版』入門 (JLA図書館実践シリーズ 47). 木村麻衣子. 日本図書館協会. 2022.1
- NCR2018の要点解説 資源の記述のための目録規則. 蟹瀬智弘. 樹村房. 2023.9.
4. 関連する資格や技能
「司書」以外にも、図書館の仕事に関連する資格や技能があります。
「司書」も含めて、それぞれの概要を紹介します。
4.1. 司書
- 「図書館法」に定められた資格です。
- 「図書館法」 第4条と第5条に、下記のように記載されています。
(司書及び司書補)
- 第四条 図書館に置かれる専門的職員を司書及び司書補と称する。
- 2 司書は、図書館の専門的事務に従事する。
- 3 司書補は、司書の職務を助ける。
(司書及び司書補の資格)
- 第五条 次の各号のいずれかに該当する者は、司書となる資格を有する。
- 一 大学を卒業した者(専門職大学の前期課程を修了した者を含む。次号において同じ。)で大学において文部科学省令で定める図書館に関する科目を履修したもの
- 二 大学又は高等専門学校を卒業した者で次条の規定による司書の講習を修了したもの
- 三 次に掲げる職にあつた期間が通算して三年以上になる者で次条の規定による司書の講習を修了したもの
- イ 司書補の職
- ロ 国立国会図書館又は大学若しくは高等専門学校の附属図書館における職で司書補の職に相当するもの
- ハ ロに掲げるもののほか、官公署、学校又は社会教育施設における職で社会教育主事、学芸員その他の司書補の職と同等以上の職として文部科学大臣が指定するもの
- 2 次の各号のいずれかに該当する者は、司書補となる資格を有する。
- 一 司書の資格を有する者
- 二 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第九十条第一項の規定により大学に入学することのできる者で次条の規定による司書補の講習を修了したもの
- 参考リンク
4.2. 司書教諭
- 「学校図書館法」に定められた資格です。
- 「学校図書館法」第5条に、下記のように記載されています。
(司書教諭)
- 第五条 学校には、学校図書館の専門的職務を掌らせるため、司書教諭を置かなければならない。
- 2 前項の司書教諭は、主幹教諭(養護又は栄養の指導及び管理をつかさどる主幹教諭を除く。)、指導教諭又は教諭(以下この項において「主幹教諭等」という。)をもつて充てる。この場合において、当該主幹教諭等は、司書教諭の講習を修了した者でなければならない。
- 3 前項に規定する司書教諭の講習は、大学その他の教育機関が文部科学大臣の委嘱を受けて行う。
- 4 前項に規定するものを除くほか、司書教諭の講習に関し、履修すべき科目及び単位その他必要な事項は、文部科学省令で定める。
- 資格を取得するには、「教諭の免許状の取得」と「司書教諭の講習の修了」という2つの要件を満たしている必要があります。
- 参考リンク
4.3. 学校司書
- 「学校図書館法」に定められていますが、資格ではありません。
- 「学校図書館法」第6条に、下記のように記載されています。
(学校司書)
- 第六条 学校には、前条第一項の司書教諭のほか、学校図書館の運営の改善及び向上を図り、児童又は生徒及び教員による学校図書館の利用の一層の促進に資するため、専ら学校図書館の職務に従事する職員(次項において「学校司書」という。)を置くよう努めなければならない。
- 2 国及び地方公共団体は、学校司書の資質の向上を図るため、研修の実施その他の必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
- 資格ではないので、法律上は試験や講習の規定はありませんが、文部科学省から「学校司書のモデルカリキュラム」が示されています。
- 参考リンク
4.4. 認定司書
- 「公益社団法人 日本図書館協会」が実施する認定事業です。
- 「公益社団法人 日本図書館協会」Webページでは、下記のように記載されています。
認定司書は「司書の図書館における実務経験や実践的知識・技能を継続的に修得した者を評価し、各地域の図書館経営の中核を担いうる司書として日本図書館協会が認定」するもの(認定の有効期間は10年)です。2011年4月より開始し、今期認定された16名を加えて、現在全国45都道府県で166名の認定司書が活動しています。
4.5. IAAL大学図書館業務実務能力認定試験
- 「特定非営利活動法人 大学図書館支援機構」が実施する認定試験でした。
- 「特定非営利活動法人 大学図書館支援機構」Webページでは、下記のように記載されています。
全国どこの大学図書館でも業務上通用する共通実務の面から、客観的な能力評価を行い、 就労者が勤務する図書館や受託業者が変わった場合でも、各人の能力が証明される システムの構築を目指しています。
- この認定試験は2022年で終了しました。
「IAAL認定試験」は,第23回(2022年10月30日)の開催をもちまして終了といたしました。
今後は,IAALが新たに策定する人材育成ポリシーに基づき,集合形式の試験による認定方式から,研修を活用した総合的な認定方式へと変革していく予定です。こちらにつきましては詳細が決まり次第,当HPにて発表いたします。
4.6. 検索技術者検定
- 「一般社団法人 情報科学技術協会」が実施する検定試験です。
- 「一般社団法人 情報科学技術協会」Webページでは、下記のように記載されています。
本試験の目的は、企業、大学、組織等において、研究開発やマーケティング、企画等のビジネスで必要とされる信頼性の高い情報を入手して活用できる専門家を育成することです。これらの高度なスキルを持った人材は、企業、大学等の情報管理部門で情報調査の支援や利用者教育、情報分析と提供などを期待される「情報プロフェッショナル」であり、マネジメントの能力も必要とされます。1級、2級はこのようなプロフェッショナルを育成するものですが、3級は情報調査のリテラシー能力を検定するものであり、上位の級への入門的な位置づけになります。(「検索検定」は「検索技術者検定」の略称です。)
4.7. 認証アーキビスト
- 「独立行政法人 国立公文書館」が実施する認証制度です。
- 「独立行政法人 国立公文書館」Webページでは、下記のように記載されています。
アーキビスト(archivist)とは、公文書館をはじめとするアーカイブズ(archives)において働く専門職員を言います。
アーキビストは、組織において日々作成される膨大な記録の中から、世代を超えて永続的な価値を有する記録を評価選別し、将来にわたっての利用を保証するという極めて重要な役割を担います。アーキビストが存在しない組織では、 その時々の担当者の考えや不十分な管理体制によって、本来は残されるべき記録が廃棄されるなど、後世に伝えられるべき重要な記録、さらにその記録をもとに記されるはずの歴史が喪われてしまう恐れがあります。
このような重要な役割を担うアーキビストには、高い倫理観とともに、評価選別や保存、さらには時の経過を考慮した記録の利用に関する専門的知識や技能、様々な課題を解決していくための高い調査研究能力、豊富な実務経験が求められます。
独立行政法人国立公文書館では、長年、アーキビストの養成や資格化について検討を進め、平成10年からはアーキビスト養成を目的とする長期研修の公文書館専門職員養成課程(現アーカイブズ研修Ⅲ)を開催するなど、その養成に関する取組を進めてきました。
令和2年度から、公文書等の管理に関する法律の5年後見直しを契機として、改めてアーキビストの資格化の検討を進め、国民共有の知的資源である公文書等の適正な管理を支え、かつ永続的な保存と利用を確かなものとする専門職を確立するとともに、その信頼性及び専門性を確保するため、アーキビストとしての専門性を有すると認められる者を国立公文書館長が認証することとしました。
4.8. デジタル・アーキビスト
- 「特定非営利活動法人 日本デジタル・アーキビスト資格認定機構」が実施する認定事業です。
- 「特定非営利活動法人 日本デジタル・アーキビスト資格認定機構」Webページでは、下記のように記載されています。
デジタルアーキビストとは、文化・産業資源等の対象を理解し、著作権・肖像権・プライバシー等の権利処理を行い、デジタル化の知識と技能を持ち、収集・管理・保護・活用・創造を担当できる人材のことを言います。現在では高精細なカメラやスキャナはもちろん、比較的安価で高品質なデジタル機器を個人で揃えることができますが、法制度の改変や技術の進歩、国際的な技術の標準化が急速に進展しています。そのため、何を、どんな目的で、どのように記録し、どのように残し、どのように公開していくかを社会の標準的技術と法律の遵守によって行われなければ、デジタルアーカイブとしての価値が失われてしまいます。
4.9. 点訳・音訳ボランティア
- 視聴覚障害者情報提供施設で点訳や音訳を担当するボランティアです。
- 必要な知識や技能を身につけるために、「養成講習会」等を受講することが一般的です。
- 「社会福祉法人 日本視覚障害者団体連合」Webページでは、下記のように記載されています。
点訳ボランティアとは、視覚に障害のある方のために、墨字(活字)で書かれている書籍や雑誌、広報誌、新聞などの内容を“点字にして伝える”ボランティアです。
視覚障害者にとっての、触る文字である点字は、生活をしていくなかで情報を得るための大切なツールです。点字には一定のルールがあり、それに則って、時には必要な言葉を補い正しく点字に直すことがとても重要です。
現在、公共施設や、さまざまな商品などで点字を目にする機会が多くなりましたが、生活に根ざした点字というものはまだまだ不足しています。そこで、私たちが目で読み得る情報を正しく点字に直し、同じ情報を提供するために活動しているのが点訳ボランティアです。
点訳ボランティアは、点訳だけでなく、点訳されたものを校正したり、点字データを編集したりと、様々な活動を行っています。
音訳ボランティアとは、視覚に障害のある方のために、墨字(活字)で書かれている書籍や雑誌、広報誌、新聞などの内容を“音声にして伝える”ボランティアです。
同じような活動に「朗読」がありますが、「音訳」と「朗読」とは目的が違います。「朗読」は、読み手の解釈で感情を込めて読んだり内容を読み変えたりして、作品として仕上がったものを聞き手が鑑賞します。
それに対し「音訳」は、聞き手(視覚障害者)が情報を得るために利用するものなので、内容が正しく伝わるように、書いてあることを書いてある通りに読まなければなりません。そのため、音訳ボランティアは視覚に障害のある方の「目の代わり」となって、情報を声で伝えることが大切になります。
音訳ボランティアは、音訳だけでなく、音訳されたものを校正したり、音声データを編集したりと、様々な活動を行っています。